学習指導要領の改定(平成24年4月〜)により、中学校3年間で学習する英単語は、900語程度から1,200語程度へと大幅に増加しました。英語では、文法の知識だけではなく英語の語彙力も問われます。語彙力の必要性と学習方法を紹介しましょう。
目次
中学3年間で覚えなければならない英単語は1,200語
保護者
中学校で勉強する英単語ってどのくらいなのかしら。
教室長
文部科学省の中学校学習指導要領(平成24年4月〜)では、3年間で「1,200語程度の語」(※)とされていますね。学校の進度にもよりますが、中学1年生で500語、中学2年生で400語、中学3年生で300語程度といったところでしょうか。
保護者
思ったより多いんですね!
教室長
改定前は「900語程度まで」でしたからね。しかし、中学卒業段階の英語力の達成目標とされている英検3級の合格レベルは、2,100語(※)とも言われていますから、そのくらいまで学習できるのが理想ですね。
保護者
2,100語って、単純に1年365日毎日欠かさず覚えていっても、1日2つは覚えなきゃならないのね。
教室長
そういう計算になりますね。ちなみに、高卒程度とされる英検2級は5,100語、実際に使える英語力といわれる準1級なら7,500語が必要だとされています。(※)
保護者
うわぁ、そんなに覚えるのは大変そう…。
教室長
ええ。何百語、何万語と言われるととても難しく感じますが、学習が進んでいくと、派生語などもありますから、だんだん負荷が軽くなります。だから十分身につけられる数とも言えるんです。もちろん、英語は日本語とは違い、日常で触れることが少ないですから、やはり努力も工夫も必要ですが、チャレンジしてみる価値はありますよ。
語彙力がつけば英語の自信につながる
教室長
語彙力をつける、つまり知っている単語の数を増やすと、テストの点数も上がるんですよ。
保護者
そうなんですか?
教室長
ええ。語彙力ってすごく大事なんです。たとえば、「犬 散歩 昨日」といわれたら、どんなことを想像しますか。
保護者
「昨日、犬と散歩した」ですかね。
教室長
きちんと文になったでしょう?極端な話、文法が全然わからなかったとしても、単語がわかれば長文の内容を推測することができ、英語の自信にもつながります。もちろん、主語を取り違えると全然違う文ができあがったりもするので、要注意ですけど。
保護者
語彙力って、そんなに重視したことはなかったですね。
保護者
私も「単語テストがイヤだ」くらいに思っていましたよ。
教室長
どうすればいい?語彙力アップ学習法
保護者
でも、やっぱり日本語みたいにはいきませんよね。どうやって学習すればいいのかしら。
教室長
上手に「スキマ時間」を利用するのがいいですね。目につくところに単語を貼っておくとか、ポケットサイズの単語帳を持ち歩くなんていうのは、昔からの定番です。
保護者
そうですね。少しだけ空いてしまう時間って、日常生活には意外と多いですものね。通学が電車やバスだと特に時間がありそうです。
教室長
最近おすすめなのは、スマートフォンのアプリや携帯ゲーム機の学習ソフトなど、電子機器を利用した学習です。
保護者
スマートフォンやゲーム機ですか?なんだか学力が低下しそうなイメージがあります。
教室長
それは使い方によりますね。学習にタブレットなどの電子機器を導入するケースは珍しくありません。スマートフォンのアプリ検索で「英単語」と入力すれば、無料のものだけでもかなりの数が出てきますしね。電子機器を使った学習の最大のメリットは、ゲーム感覚で楽しく学習でき、どのくらい覚えたのかがひと目でわかったり、自分のニガテな問題を繰り返し学習できたりすることです。さまざまな機能がありますから、自分に合ったものを選べばかなり効率的に学習を進められます。
保護者
ゲーム感覚で学習できるのは続けられそうよね。
教室長
あと、最近は電子辞書にも学習ソフトがインストールされていたりするんですよ。
保護者
電子辞書って、調べるだけじゃないんですか?
教室長
最近の電子辞書はすごいんですよ。語彙の持つイメージをイラストで解説してくれたり、単語の重要度をランク表示してくれたり、英語の動画が音声つきで見られたり、基本的な英会話教材が収録されていたり…リスニングにも対応していて、聞いて覚えることもできるんです。
保護者
私の時代は白黒の英和・和英それから、国語・漢字辞典しか入ってなかったのに。
教室長
合う学習スタイルはそれぞれ違いますから、いろいろ試してみるのがいいですね。まずは単語帳や無料アプリから試してみるのがおすすめです。
保護者
帰って子どもたちにも教えてみます。電子辞書についても検討しようかしら。
■参照:
(※)公益財団法人 日本英語検定協会
https://www.eiken.or.jp/center_for_research/pdf/bulletin/vol25/vol_25_p32-p54.pdf