中学3年生で習う現在完了形は、中学校の英語の範囲の中でもつまずきやすい単元の1つです。現在完了形には攻略のコツがあります。今回はそんな英語の現在完了形について、詳しく考えていきましょう!
目次
現在完了形=have+過去分詞!
保護者
現在完了形と過去形ってどう違うんでしょうか?息子が少しつまずいているみたいで。
保護者
うーん、説明するのが難しいわね。過去形は過去のある1時点についてだけ話しているけれど、現在完了形は過去のある1時点から現在にかけての幅のある時間について話しているのよ。こういう説明の仕方でよいんでしょうか?
教室長
実際に英文を見てみると少しわかりやすくなるかと思いますよ。たとえば「私は10歳のころピアノを弾いた」という文章だと、”I played the piano when I was ten years old.”となりますよね。この文章は過去形の文章です。一方、現在完了形の文章の例を見てみましょう。”I have played the piano since I was ten years old.”という英文は「have+過去分詞」という形の現在完了形の文章です。この英文を和訳すると「私は10歳のころから今までずっとピアノを弾いてきた」となります。つまり、過去形の場合は「私が10歳だったころ」という過去の1時点についてのみ話していますが、現在完了形の場合は「私が10歳だったころ」という過去の1時点から現在までずっと、という幅のある時制について話していることがわかります。
保護者
何となくわかってきたけれど、まだピンときません…。
教室長
図で見てみるとわかるかもしれませんね。最初の過去形の例文を図で表すとこうなります。
教室長
一方、現在完了形の例文の場合はこうなりますよ。
保護者
なるほど!視覚化するとわかりやすいですね!
教室長
現在完了形はこの時間軸の感覚が難しくて、つまずくお子さんも多いようです。現在完了形の文章は3つの用法に合わせて訳を変える必要がありますが、この時間軸の感覚さえイメージできれば、そんなに悩むことはないはずですよ。
保護者
3つの用法…?
3つの用法(継続、経験、完了)をマスターすれば現在完了形はOK!
教室長
現在完了形には、「継続」「経験」「完了」の3つの用法があるんですよ。
保護者
それぞれ具体的にどんな文章があるんでしょうか?
教室長
継続の文章は、さきほどの例文のように「過去のある1時点から現在までずっと」という意味の文章ですね。
保護者
”I have played the piano since I was ten years old.”という文章だったわね。
教室長
経験の文章は、「~したことがある」という意味になります。たとえば”I have climbed Mt. Fuji once.”(私は富士山に1度登ったことがある)といった文章が考えられますね。
保護者
えっ、これは過去の1時点について言っている過去形とは違うんですか?
保護者
「1度登ったことがある」というのは現在の状態のことを示すから現在完了形なのよ。もし過去形なら、”I climbed Mt. Fuji last year.”(私は去年富士山に登った。)とかいう事実だけを伝える文章になるはずだわ。
教室長
かなりつかめてきたようですね。
保護者
完了の用法はどうですか?
教室長
「今~してきたばかりだ」とか「~してしまった」という意味の文章になります。たとえば”I have already finished my homework.”(私はすでに宿題を終わらせてしまった。)という文章が考えられます。
保護者
これも過去形との区別が難しいところだけれど、「宿題が終わった」1時点は「1時間前」かもしれないし「2時間前」かもしれないけれど、とにかく”今は”宿題をもう終わらせた状態だ、と理解すればよいのよね。
教室長
そのとおりです!
保護者
だんだんわかってきた気がします。でも、3つの用法があると確かにややこしいわね。どう見分ければよいんでしょうか?
教室長
そうですね。次の3つの例文を見てみましょうか。
—
【例文】
1. I have eaten Indian curry for 30 minutes. (私は今まで30分間インドカレーを食べている。)
2. I have eaten Indian curry once. (私は1度インドカレーを食べたことがある。)
3. I have just eaten Indian curry. (私はちょうどインドカレーを食べてしまったところだ。)
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何か気づくことがありませんか?
保護者
使われている前置詞や副詞が違うだけで意味が大きく変わっているわね。
教室長
おっしゃるとおりですね。3つの用法は使われている副詞や前置詞で見分けるとわかりやすいんですよ。継続はsince(~から)やfor(~のあいだ)といった前置詞、経験はonce(1度)やtwice(2度)といった頻度を表す副詞や疑問形・否定文で使うever(これまでに)という副詞、完了はjust(さっきちょうど)やalready(すでに)といった副詞がよく使われます。
とにかく現在完了形がニガテ!そんな時は…
保護者
だいぶ現在完了形のことがわかるようになってきました!でもいったいうちの子はどこでつまずいているんだろう…。
教室長
中学生のお子さんが現在完了形でつまずくポイントはいくつかありますね。たとえば、過去分詞形の不規則変化を暗記できていないと、現在完了形の文章そのものが書けずに苦戦してしまいます。あとは、さきほどからよく出ている過去時制と現在完了時制の区別の問題ですね。また疑問文にした時に語順がこんがらがってしまうというお子さんもよく見られます。
保護者
それぞれ、どういう対処をすればよいんでしょうか?
教室長
まずは過去分詞形をきちんと復習しながら暗記することですね。現在完了形と過去形の区別については、最初にお話しした図を見ながら理解できればつまずきにくくなると思いますよ。語順は、2年生で習った助動詞の応用だと考えればわかりやすくなります。
保護者
具体的にはどんなふうになるんですか?
教室長
たとえば”I have just eaten Indian curry.”の例文を疑問文にすると、”Have you eaten Indian curry yet?”となります。yetは疑問文では「もう」と訳すので、「もうインドカレーは食べてしまいましたか?」という訳になりますね。これに対して、助動詞canを使って似たような文章を作ってみると、同じ法則だということがわかります。肯定文は “I can eat Indian curry.”、疑問文は”Can you eat Indian curry?”となります。
保護者
なるほど、助動詞の疑問文がCan+主語+動詞の原形という順になるのに対して、現在完了形の疑問文はHave+主語+動詞の過去分詞形という順になるのね。
保護者
確かに似ていますね!覚えやすいかもしれません!
教室長
こうしてニガテ意識を持ちやすい単元にぶつかった時は、個別指導塾が役立ちますよ。お子さん1人ひとりに合わせてつまずいているところを丁寧に教えてもらえるので助かると思います。
保護者
とても頼りになりそう!現在完了形のようなややこしい単元が出てくる前に、通っておきたいですね。
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