国語のテストの中でも、とりわけ配点の高い長文読解問題。それにもかかわらず、「なんとなく」「勘で」答えを出してしまっている生徒さんも多くいます。読解問題を「センスの問題」と捉えず、しっかり勉強時間を確保しましょう。
目次
勉強時間が削られがちな国語、読解問題
保護者
中学2年生になると、国語でつまずく生徒さんが増えると言いますよね。
教室長
ええ。長文読解問題の量が一気に増え、難度も上がりますからね。
保護者
読解問題というのは、そんなにやっかいな問題なんですか?
教室長
まぁ、やっかいには違いないんですが…。京子さんは学生時代、国語でどんなことを勉強していましたか?
保護者
漢字にことわざ、あと四字熟語なんかも必死で覚えていましたね。
教室長
では、「読解問題」に関してはどんな勉強をしていましたか?
保護者
読解問題…そう言われてみるとあまり思い出せません。そんなに勉強をしていなかったのかしら?
教室長
実は、この分野は勉強時間を削られがちなんです。「勉強をしなくても点数が取れる」または「勉強したところで点数が取れない」。そう考える生徒さんが多いんです。
保護者
確かに、読解問題は感覚やセンスの勝負というイメージもあります。
教室長
社会などの暗記科目に比べると、勉強の成果を出しにくいというのは事実です。しかし、読解問題にもしっかりと解法はあって、勉強すれば結果は必ずついてきます。
保護者
まずは意識して学習時間を取ることが大切なんですね。
問題文を読む時はココに注目!
保護者
でも、読解問題って具体的にどんな勉強をすればよいのかわかりにくいですよね。
「これを覚えておけば大丈夫!」というものでもなさそうだし…。
教室長
極論ですが、読解問題というのはなにかを覚えておく必要はないんです。読解するためにさまざまな言葉の知識は必要ですが、答えは必ず問題文の中に隠れていますから。
保護者
ということは、問題文をじっくり読むことが大切なんですね。
教室長
その通りです。問題集を繰り返し読むというのは他の科目と変わりませんが、実際に問題を解くというよりも意識して問題文を読み込むことが大切というのが大きな違いですね。
保護者
どんな読み方をすればよいのでしょう?
教室長
まずは、出題される可能性が高い「論説文(説明文)」から説明しましょう。論説文は文章が長く、難しい言葉もズラリと並びますが、その本質は「たった1つの結論、言いたいこと」に気づけるかなんです。それがつかめれば文章の内容は自ずと頭に入ってきます。
保護者
なるほど、まずはその結論を探すんですね。
教室長
だから結論が書かれていることが多い最後の段落から読み始め、結論をつかんでから最初に戻って全体を読んでみるといった読み方も有効です。
保護者
論説文を読む練習をするときは、まず結論を意識する、と。
教室長
次にこちらも出題頻度の高い「小説」ですが、小説は論説文よりも読みやすい反面、表現があいまいなのが難しいところです。
保護者
小説を読む際にも注目するポイントがあるんですか?
教室長
はい。小説を読む際に注目すべきは「登場人物の心情」、さらにいえば「登場人物の心情の変化」です。心情の変化は、必ずと言ってよいほど出題されるポイントですからね。
保護者
心情って「うれしい」とか「悲しい」といったことですか?
教室長
はい。しかし、そこまではっきりとは書かれていないことがほとんどです。そのため、登場人物の行動やセリフ、態度などから、その人物の心情を読み取らなければいけません。
保護者
他にヒントになりそうなところはありますか?
教室長
あとは「場面」の把握も大切ですね。
保護者
場面?
教室長
心情が変化するには、そのきっかけとなる出来事があるはずです。その場面を「いつ」、「どこで」、「誰が」、「どうした」という観点で把握すると、情報の整理がしやすくなりますよ。
読解問題で高得点をとるためのテクニックとは?
保護者
問題文はそんな意識を持って読むとよいのですね。では、いざ問題を解く時には、どんなところがポイントになるんでしょうか?
教室長
読解問題は、多くが「傍線部」の事柄について答えなさいという形式で出題されます。その時に、やみくもに文章から答えを探し出そうとするのはあまり効率的ではありません。
保護者
まず最初にどこを見ればよいのですか?
教室長
まずは、傍線部が含まれている文、つまり傍線部のすぐ前後からチェックします。次は、その文の前後の文。次は、その文が含まれる段落。さらに、その前後の段落。このような順番で答えを探すのがおすすめです。
保護者
なるほど、傍線部からだんだんと探す範囲を広げて行く感じですね。でも、どうしてそんな読み方をするんですか?
教室長
傍線部に近い文章に答えやヒントが埋まっていることが多いからです。問題ごとに頭から文章を読み直していては、おそらく時間も足りなくなってしまうでしょう。
保護者
では、選択問題を解くコツはありますか?
教室長
例えば「次の4つの選択肢のうち、正しいものを1つ選びなさい」という問題があるとしますよね。この場合、その選択肢の他のところがどれだけ正しくても、一部でも間違いがあるのならば、その選択肢は「正しくない」ということになります。
保護者
正しくないものから探して、消していくと。そして残ったものが正解なんですね。
教室長
そうです、消去法です。ちなみに選択肢の間違っているところに印をつけておくクセをつけておくと、頭の中で整理がつきやすいのでおすすめですよ。
保護者
出題形式によっても、いろんなテクニックがあるんですね。
教室長
出題形式という点からいえば、本文から「抜き出せ」「まとめよ」といった指示にも要注意です。一見同じような指示に見えますが、「抜き出せ」は文章を1文字も変えることなくそのまま使う必要があり、「まとめよ」は文中に出てくるキーワードを自分でまとめなければなりません。
保護者
なるほど。問題文だけでなく、設問そのものもしっかり読み込むのがポイントなんですね。
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