読解力が求められる現代文の長文問題は具体的な勉強方法がわかりにくいため、苦手意識をもっているお子さんが多いようです。今回は、現代文の長文問題の得点アップにつながるポイントをご紹介します。
目次
解答に時間がかかる現代文は「苦手」になりがち
保護者
うちの子、国語は苦手じゃないんだけど、現代文の問題を解くのに時間がかかってしまうみたいなの。
教室長
現代文は長文を読んで答える問題が多いので、どうしても時間がかかってしまいますね。また、文章を読むのが苦手なお子さんにとって、長文が多い現代文は苦手になりやすい部分でもあります。
保護者
うちの子も文章を読むのがすこし苦手みたいです。
保護者
数学で出てくる公式のような決まった解き方は、現代文にはないのかしら?
教室長
実は、現代文にも問題を解くポイントが存在します。文章を読むのが苦手なお子さんでも、しっかりとポイントを押さえれば、文章のなかから答えを引き出せるようになりますよ。
線を引いてキーワードを見逃さないようにしよう
教室長
現代文にはテーマに沿った「キーワード」が存在します。その「キーワード」に注目して文章を読み進めていきましょう。重要だと思うポイントに線をひきながら文章を読むと、「キーワード」を見つけやすくなりますよ。
保護者
現代文は、大きく分けて小説と論説がありますよね。論説は難しそうな文体なので、読むのに抵抗があるとうちの子が言っていました。
教室長
確かに、論説を読むことに苦手意識をもっているお子さんも少なくないでしょう。しかし、論説は起承転結に沿って筆者の主張が書かれていることが多いので、小説よりも全体のテーマやキーワードなど、答えにつながるポイントが見つけやすくなっています。
保護者
そうなんですね。論説を読むときは、どんなことを意識したらいいですか?
教室長
まず、「一段落のなかで言いたいことは1つ」ということを意識すると読みやすくなると思います。段落のなかにある「言いたいこと」を丁寧に読み取っていくことが大切です。
保護者
正しく「言いたいこと」を見つけるために注意することなどありますか?
教室長
「言いたいこと」、つまりキーワードとなる部分は「逆接の接続詞のあと」にあることがほとんどです。逆接の接続詞のあとに続く筆者の主張は、問題を解く上で重要なポイントになるので、見つけたら線を引くようにしましょう。一方、間違いやすいのは、例示にあたる部分です。例示は主張したい部分を説明するための部分なので、「逆接の接続詞のあと」ほど重要視する必要はありません。しかし、筆者の主張を述べるために書かれているため、なにを伝えようとしているのかを正しく読み取る必要があります。
保護者
うちの子は、1つの事柄について論じられている論説は比較的得意なんですが、キーワードがわかりにくい小説のほうに苦手意識があるようです。
教室長
小説が理解しにくい理由は、登場人物の心情の変化を読み取らなくてはいけない点にあります。基本的には、登場人物の行動が心情とイコールの関係になりますが、動作・セリフ・風景描写・文体から登場人物の心情の変化や思いなどを読み取るのは簡単なことではありません。それだけに、読みながら気をつけなくてはいけない部分も多いです。
保護者
読書好きなのに、小説の問題が苦手というお子さんがいると聞いたことがあります。いったいどうしてでしょうか?
教室長
確かに、「読書が好きでも小説の問題は苦手」というお子さんも多いようです。読書好きなお子さんは、物語のなかに自分の感情が入りすぎてしまい、「自分だったらこうする」などと考えてしまい、客観的に読むことが難しくなってしまっているのかもしれません。
保護者
小説の問題は、どういったことに気をつけて解いたらいいんでしょうか。
教室長
大切なのは、登場人物の行動が登場人物の心情と一致するということです。ほかにも、本文に書いてある動作やセリフ・風景描写がどの登場人物にあてはまるのか意識すると、小説の問題も解きやすくなると思います。
出題形式から解き方を考えよう!
保護者
ほかにも現代文の「キーワード」を見つけるコツはありますか?
教室長
出題形式にも注目してみるといいでしょう。本文中の傍線部について問う問題が出たら、「なぜその部分が設問にされたのか」ということを意識して傍線部の前後の文章に再度目を通してみましょう。
保護者
確かに、本文中の傍線部にある指示語がどこを指しているのかを確認するのが大事だと習いました。
教室長
まさにそうですね。傍線部は問題を難しくするために、わざと短く引かれていることもありますので、傍線部だけでなく、その前後も重要部分だということを意識して周辺の文章もしっかり読み込んでいきましょう。そのなかにあるキーワードや指示語は、答えにつながるポイントになっていると思います。
保護者
今は私たちの時代に比べて、マークシート方式の試験も増えている気がします。マークシート方式の場合は、本文だけでなく、選択肢の内容もしっかりと読み取る必要がありますね。
教室長
そうですね。選択式の問題は消去法が有効だと思います。まぎらわしい選択肢が多いので、それぞれの選択肢のどの部分が論旨にそぐわないのか、1つずつ選択肢を比較して間違っている部分にバツ印をつけながら読み進めていきましょう。そうすれば、答えが見つかりやすくなります。
保護者
いきなり正解を探すのではなく、文章の論旨との違いを見つけて答えをしぼっていくイメージですね。
教室長
どうしても答えがしぼり切れないものは、キーワードをもとに明らかに違うものを除いていったん保留にしておきましょう。ほかの設問を解きながら読み進めるうちに、気づくこともあります。そこに保留にした問題のヒントが隠れているかもしれません。現代文は、問題のなかに答えがあるものなので、ポイントを押さえて点数アップにつなげていきましょう。