数学は本来「考える科目」ですが、中学数学なら公式をきっちり覚えて繰り返し練習すれば、誰でも一定のところまで得点を伸ばしていくことができます。数学が苦手な人は、公式をたくさん覚えて高得点を狙いましょう。
目次
数学でつまずくポイント
保護者
数学って、いつの間にあんなにできなくなっちゃうのかしら。
保護者
算数が数学に変わったあたり?
保護者
小学校の頃にも、少しずつわからなくなった気はするけど。
教室長
小学校では、分数の計算でつまずくことが多いですね。
保護者
たしかに、分数は通分しないと足せないとか、あのあたりから苦手になってきたのかも。
教室長
算数・数学は、学年が上がるにつれて、具体的に考えるのが難しくなってくるんですよ。
保護者
どういうことですか?
教室長
たとえば、「5×3」の計算は、「あめが5個ずつ入った袋が3つあります。あめは全部でいくつありますか」と聞かれれば、実際に指を動かしたり、絵に描いたりして考えることができるでしょう? でも、「(-5)×(-3)」の計算ではそうはいきません。
保護者
「-5個」とかは、表現できませんものね。
教室長
もちろん、説明しようと思えばできるのですが、長くてややこしい。そもそもこれを説明できる人は数学が得意な人ですしね。だから、「マイナスかけるマイナスはプラス」と覚えて、問題を解けるようにするんです。こうして、「理由は考えずに、きまりを覚えるようにする」ことが先ですね。なぜそうなるのかは、できるようになってから説明した方が良いお子さんも多いです。
保護者
そういえば、分数のたし算はなんで通分するかなんて覚えてないかも。
覚えなきゃどうしようもないことが増えるってことですよね。
教室長
本当はそんなに覚えなければならないものばかりではなくて、考えればすぐに導き出せるものも多いのですが、それなりに知識や理解が必要です。
公式をマスターすれば得点アップにつながる!
保護者
公式って、どのくらい覚えればいいのかしら?
教室長
成績アップ、という観点からいえば、公式はできるだけたくさん覚えて使えるようになっておいたほうが得です。数学は決して暗記科目ではありませんし、覚えなくても導き出せるものも多いので、無理に覚えろとはいいませんが……知っていれば知っているほど有利です。また、公式を覚えている方が、早く解くことができます。
保護者
だから公式を覚えなさいって言われるんですね。
教室長
数学が苦手なら、公式を覚えて、使えるようになことが得点アップの近道ですよ。
中学で覚える数学公式
保護者
でも私、暗記も苦手だったなぁ。
教室長
呪文みたいに全部丸暗記するものもありますが、丸暗記せずに覚える公式もあるんですよ。
保護者
丸暗記しないで覚えるんですか?
教室長
たとえば、3年生で習う展開公式。
教室長
これらなんかは、位置関係のイメージで覚えるんですよ。
ちょっと難しい例になりますが……。
教室長
「前が同じで後ろが違うときには、前を2乗して、後ろを足したものに前をひとつかけて、後ろをかける」「2乗は前を2乗、見えているもの全部2乗、後ろ2乗」「和と差の積は2乗引く2乗」といった感じです。字面だけを追っていると難しく感じるかもしれませんが、実際の問題にカラーペンなどで色をつければ、すぐに覚えられるお子さんもいます。
保護者
問題演習の中で色をつけて、パターンを暗記するんですね。
教室長
位置関係で覚えておくと、少しひねった問題でもつまずかずに解けるんですよ。たとえば…
保護者
そっか、位置で覚えれば式が複雑になっても簡単なんですね。
教室長
呪文みたいに丸暗記した方が便利な公式もあります。たとえば、2次方程式の解の公式。
教室長
この公式の導き方は中学校でも学びますが、数学が苦手なお子さんなら、「xイコール2aぶんのマイナスbプラスマイナスルートbの2乗マイナス4ac」と何度も唱えて暗記します。そして、公式をだいたい覚えたら、唱えながら問題を解いていくという方法が定着しやすいですよ。
保護者
丸暗記はするけど、これもやっぱり問題を解きながら覚えるんですね。ちょっとわかってきました。
教室長
公式は、「覚えた!」と思ったら何度も反復練習をして定着させることが何よりも大切です。公式を覚えただけではすぐに忘れてしまいますし、覚えた公式を使えなければ正解を出せません。確実にできるようになるまで、たとえば、xが2yに変わったとしても解けるくらいにまで、何度も繰り返して練習すれば、何年経っても忘れない長期記憶になります。
保護者
学校や集団指導タイプの塾では、なかなかできないかもしれませんね。
教室長
そうですね。自宅での学習や、個別指導塾などでじっくり取り組むことが必要になります。覚えにくいものほど、何度も使ってみましょう。また、公式だけでなく、解き方のパターンなども実際の問題を何度も解きながら覚えていくと、問題を見ただけですぐに解き方がひらめくようになります。何度も繰り返しているうちに応用もきくようになってきますから、問題を見たらすぐに解法を思いつけるようになるまで、繰り返して練習してみるのがコツです。
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