オームの法則=電気抵抗

保護者

中学生の時、電気の問題って得意でしたか?

保護者

比較的得意だったと思うわ。どうかしたの?

保護者

娘が最近の理科の授業で、電気の問題がよくわからないって言っているんです。「直列」と「並列」の違いとか、「電流」と「電圧」の違いとか、ややこしいようで…。

教室長

お子さんがつまずいているのは「オームの法則」の範囲みたいですね。

保護者

オームの法則?

保護者

電気回路の問題で出てくる公式や法則のことだったと思うわ。オームっていうのは電気における抵抗の単位で、記号は「Ω」って書くんだったわね。

教室長

よくご存じですね。オームという単位は電気抵抗を発見した人物、ゲオルク・ジーモン・オームが由来になっているんですよ。記号が「Ω」なのは、オームの頭文字であるアルファベットのO(オー)だと数字の0(ゼロ)と混同されやすいためだとか。

保護者

なるほど。むかし見た、あの不思議な記号にも意味があったのですね。

【直列?並列?】水流に例えればオームの法則はわかりやすい!

保護者

実際にはどういうことを習うんですか?

保護者

電気の回路図が出てくる問題じゃなかったかしら。

教室長

そうですね。たとえば次のような回路図が出てきて、x,yの値を求めよ、といった問題が出てきます。

 

【覚え方】オームの法則をマスターしよう【公式】-1

保護者

「V」と「A」っていうのはそれぞれなにを表しているんでしたっけ?

教室長

「V」は電圧を表す単位の「ボルト」ですね。「A」は電流を表す単位の「アンペア」です。

保護者

電流、電圧、抵抗…電気は目に見えないし、なかなかイメージがわきづらいですね。

保護者

うちの子がつまずいているのはこの3つの見分け方みたい。

保護者

それに直列と並列の違いもあるわ。図1は抵抗が1列に結ばれているから直列、図2は抵抗が2列になっているから並列って呼ぶのよね。直列と並列で電流や電圧の大きさに差があったはずだわ。

教室長

直列だとすべての抵抗を流れる電流が等しくなり、抵抗ごとに電圧の大きさが異なってきます。並列の場合はどの抵抗における電圧も電源の電圧と等しくなりますが、電流は抵抗ごとに変わってきます。

保護者

なんだかややこしくなってきましたね。

教室長

そうですね。お子さんがつまずきやすい箇所ですが、よく押さえておきたいポイントです。

保護者

どうすればつまずかずに勉強できるんでしょうか?

教室長

電気回路の問題は、電気を「水」に例えるとわかりやすくなりますよ。高低差のある水路に水車が設置されている場面を想像してみてください。電流は流れる「水の量」、電圧は電気を流そうとする力ですので「水の流れる高さ」、抵抗は水の流れを妨げるものですので「水車」に置き換えられます。電流が大きい=水の流れる量が多い、電圧が大きい=水の落ちる高さが高い、抵抗が大きい=水車の大きさが大きい、とイメージするとわかりやすくなります。

保護者

 なるほど、水だと目に見えるからイメージもわきやすいですね!

教室長

例えば「直列」というと抵抗=水車を1本の水路に1列に並べることになりますので、各水車を流れる水の量は同じですよね。

保護者

さっき教室長が言った通り、直列の場合は電流の大きさは同じ、ということになるわね。

保護者

電圧はどうでしょうか。

保護者

水車1個分の水路よりも、水車2個分の水路のほうが高低差が大きいって考えればよいんじゃないかしら。

教室長

その通りですね。それぞれの抵抗にかかる電圧の和が、回路全体を流れる電圧の大きさということになります。

保護者

となると、図1のxは10-8=2Vになるのね。

保護者

並列だとどうなるんでしょうか。

保護者

きっと水車を横に並べればよいんだわ。

教室長

そうですね。すると、それぞれの抵抗にかかる電圧は等しいということもイメージできるのではないでしょうか。

保護者

水車が並んでいれば高低差は等しいものね。

保護者

すると図2はx=10になりますね!

保護者

だんだんおもしろくなってきました!

保護者

一方で電流は抵抗の大きさによって変わってくるわね。水車が小さいほうが水がたくさん流れるもの。

保護者

「水車が大きいほうが、抵抗が大きい」「水車が小さいほうが、抵抗が小さい」ということがわかるわね。

教室長

みなさん、すっかり電気回路の問題の理解が深まったようですね。以上の電圧、電流、抵抗の関係を公式にしたのが「オームの法則」です。これがわかれば図1、図2それぞれのyも求められますよ。

 

オームの法則の3つの公式
電圧=電流×抵抗
電流=電圧÷抵抗
抵抗=電圧÷電流

保護者

公式に当てはめると、図1のyは8÷2=4A、図2のyは10÷2=5Aになるでしょうか。

【公式】 オームの法則はこうして覚えるべし!【計算】

保護者

わり算とかけ算で表すんですね。

保護者

でもどれをどれで割るのか、どれとどれをかけるのか忘れそうですね。

教室長

オームの法則を覚えるには便利な図があるんですよ。

 

【覚え方】オームの法則をマスターしよう【公式】-2

 

この図で、求めたいものを隠すと式が導き出せるようになっています。上と下の関係は「上÷下」、横同士の関係は「左×右」の式を使えば大丈夫です。

保護者

割り算は分数で表すし、視覚的にわかりやすいわね。

保護者

娘にも教えてあげようと思います。

教室長

理科は確実にイメージがつかめれば、計算自体は数学よりも簡単です。イラストや図などでしっかりとイメージを持って、公式を使えるようにしておくなどの対策をとっておけば、入学試験でも得点源にできるので、ぜひしっかりとがんばって欲しいですね。

保護者

なるほど、それは励みになりますね!